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最終更新日 2018年2月19日

福井信金(旧・武生信金)懲戒解雇撤回のたたかい


争議について経営の対応公開質問状


話し合いでの争議解決を拒否

 
─旧武生信金と対応変わらず─

 金融庁に反する対応

  旧・武生信金での2名の公益通報者に対する報復的懲戒解雇裁判で、福井信金に対し、最高裁の上告棄却後、初の団体交渉が2017年4月25日に行われました。
 冒頭、組合から「裁判所からのひとつの判断材料は出されたが、これまで『裁判係争中』ということで、団体交渉で重要なポイントについても回答してもらえなかった事項も、裁判が終了したのだから、争議解決に向けて私たち労働組合の意見を聞いて、解決に向けた案作りをしてもらいたい」として、先日の金融庁要請での「最高裁が終わったから全部解決したというスタンスではない。解雇問題は話し合いで解決してもらいたい」という金融庁の対応を紹介して、武生信金から引き継いだ「負の遺産」としての争議の解決への協力を求めました。
 しかしながら金庫は、前回の団体交渉には出席していた代表権を有する役員も出席せず、「裁判で不当解雇が認められたら、それに従うと言ってきた。いまさらこの話を整理したりして話をするつもりはない。結論が出ている。これについて今後、組合との団体交渉に応じるつもりはない」の一点張りで、話し合いでの争議解決を拒否するという、きわめて不誠実な対応に終始しました。
 また、武生信金時代の団体交渉でも、福井信金との前回の団体交渉でも指摘した「同じメールアクセス行為をしていた労働者が、何のお咎めもなく逆に支店長に昇進している事実を見ても、懲戒基準の公平性の原則を無視している」と、裁判所が触れなかった点について質問しても、調査も回答もしていないデタラメな対応でした。
 労働争議で、裁判所の判決を受けて労使で協議して解決に向けた合意づくりをせず、判決が出れば自動的に争議が解決するかのような福井信金経営者の感覚では、到底、武生信金の「負の遺産」はなくなるどころか、逆に労使問題での火種をさらに拡大させていくのは明らかです。


 異常な労務管理を継承

  福井信金との合併後、武生信金の役員が一掃されているにもかかわらず、解雇された2人への強権的な事情聴取なども行い、団体交渉にも出席して、気に食わない発言をする組合役員に対して「出て行け!」などと暴言を吐くような労務管理まで担っていた、旧・武生信金の顧問弁護士を、福井信金が引き続き登用していることが、今回の団体交渉で判明しました。
 この日の団体交渉には、金庫側は磯部人事部長以下3人、組合側は金融労連・中島委員長、武生職組・林委員長、解雇された2人をはじめ7人が出席しました。
 前回の団体交渉での福井信金経営者の態度と、判決確定後とはいえ、あまりにも異なる今回の強硬姿勢に、参加者からは「これじゃ、武生信金時代の異常な労働組合敵視政策と何も変わっていない」との声が出されていました。


 法曹界からも批判出される

  中日新聞(14年9月28日付)では、東京弁護士会の公益通報者保護特別委員会委員長の横山弁護士の声を次のように紹介しています。

 武生信金が長年不正融資を放置していたことは論外だが「表面化した時点で素早く対応していれば、問題が大きくなる前に処理することが可能だった」と指摘。
 さらに、元職員らが理事長の職員番号からパスワードを推測して、容易に情報を入手したことに「情報管理がずさん。『要保護性があった』とは主張できないだろう。何より、顧客情報を厳重に守るべき金融機関としての体をなしていない」とあきれ顔だ。
 武生信金全体を覆っていた空気にも疑問を呈し「顧問弁護士も長年、不正融資の事実に気付かなかったのだろうか」と、組織ぐるみで危機管理意識が薄かったことに首をかしげる。
……中略……
 「不正融資」という問題の本質から目をそらし、その場しのぎの対応に終始していることに対し、横山弁護士は「社内の不正や公益通報者への対応の失敗例として学ぶべきことが多い」として他の企業にとって反面教師≠ニしての参考にはなる、との感想を漏らした。


 このように、公益通報者への異常な報復的解雇をおこなった武生信金(現・福井信金)と裁判所の判断への批判が、法曹界の中からも以前から出されていました。
 自分たちにとって都合の悪い判決が出された時は「判決文を精査して対応したい」という経営者が多い中で、都合の良い時だけ「判決の内容を整理して話をするつもりはない」は、ないのでは?


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