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第1回中央委員会での3つの決議

 ベア実現と初任給引き上げをめざす決議

 労働時間・労働契約法制の改悪に反対する決議

 憲法改悪に反対し、平和と民主主義を守る決議

労働時間・労働契約法制の改悪に反対する決議



通常国会が開幕した1月25日、厚生労働省は労働政策審議会・労働条件分科会に、サラリーマンの長時間過密労働を野放しにし、残業代を払わない「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)制度」を盛り込んだ労働基準法改悪案と、労働契約法の法案要綱を諮問しました。

WEはホワイトカラー労働者の労働時間規制を適用除外して、「何時間働いても残業代はゼロにする」1日8時間、週40時間という労働時間制を破壊し、残業代を取り上げる制度です。

多くの労働者の反対運動で、安倍首相でさえ「国民の理解が得られていない」として今国会への法案提出見送りを表明していましたが、何としても導入を狙う財界の巻き返しで、厚労省は突如名称を「自己管理型労働制」と変更して法案要綱に盛り込んだものです。

日本経団連が要望している、年収400万円以上のホワイトカラー労働者を対象にすると、1013万人が労働時間規制から外され、総額11.6兆円、一人当たり年間114万円がカットされることになります。各界からの批判に対して、厚労省は「年収900万円以上で対象は20万人、適用は2万人」などと言い出しましたが、いったん導入すれば、歯止めがなくなることは明らかであり、これまで違法だったサービス残業を合法化しようというものです。

厚労省は、「自由度の高い働き方にふさわしい制度」として、対象者を「労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事」し、「業務上の重要な権限および責任を相当程度伴う地位」にあって、「業務遂行の手段および時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする者」で、「年収が相当程度高い者」としていますが、私たちの職場は目標管理(ノルマ)が徹底され、時間外手当も請求できない、さらには、成果主義賃金制度が徹底されている中で、「自由度の高い働き方」などできるはずもなく、長時間労働と賃金の大幅削減が余儀なくされ、さらには、過労死・過労自殺・精神破壊・疾病を激増させる危険性が極めて大きくなります。

また、労働契約法では、賃下げなどの労働条件の不利益変更も、使用者が一方的に就業規則でできると規定するなど、重大な問題を含んでいます。

労働条件は、使用者と労働者が合意して決めるものであり、使用者が一方的に変更できるものではありません。ところが、今回の法案では、労働者が同意しなくても、会社が作る就業規則で自由に変更できるようになっています。

裁判で解雇無効となっても、金さえ払えば職場復帰させなくてもすむという「解雇の金銭解決制度」については、多くの労働者の反対運動の結果、「今後の検討課題」として法案は見送られました。

私たちは、政府が労働法制改悪を完全に断念するまで運動を広げ、人間らしく生き働くルール確立のために精一杯奮闘します。

以上、決議します。


2007年2月3日

金融労連第1回中央委員会